注文住宅の断熱性能とは?
近年注文住宅の断熱性能が注目されています。住宅の断熱性能は、建物の熱の逃げやすさを表している、外皮平均熱貫流率(UA値)と、日射熱の入りやすさを表す冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)で測るものです。UA値は国が定めた省エネ基準やZEH基準、民間基準のHEAT20などがあり、それぞれ求められる数値が異なります。ここからは断熱性能について解説していきます。
UA値とは
断熱性能を測る値として、建物からの熱の逃げにくさを表すものが外皮平均熱貫流率・UA値です。UA値は住宅から逃げる熱の量を、建物の外皮全体の面積で割った値のこと。建物の外皮は、外壁、床、屋根、窓、天井など、建物の外側と内側を隔てる境界にあたる部分を指します。UA値が低いほど建物から熱が逃げにくく、また外からの熱の影響を受けにくい家になり、冷暖房効率がいいと言えるでしょう。
断熱性能の基準と地域区分とは?
断熱性能には国が定める省エネ基準や、ZEH基準に加え、民間団体が独自に定めているHEAT20基準があります。また気候に応じた地域区分によって求めるべきUA値が異なります。では、それぞれどのようなものなのか解説しましょう。
断熱性能の地域区分とは?
地域区分とは、建築物省エネ法により定められた指標です。気候や平年の気温などを考慮して日本全国を8つの地域に分け、それぞれの気候に応じた断熱性能や達成すべき基準が定められています。
地域区分は気候の状況や、市町村合併などの実情を加味しながら、定期的な見直しが行われます。2024年8月現在の地域区分のおもな都市は以下の通りです。
地域区分は気候の状況や、市町村合併などの実情を加味しながら、定期的な見直しが行われます。2024年8月現在の地域区分のおもな都市は以下の通りです。
地域区分のおもな都市
・1地域 旭川市など
・2地域 札幌市など
・3地域 盛岡市など
・4地域 仙台市など
・5地域 宇都宮市など
・6地域 東京23区など
・7地域 長崎市など
・8地域 那覇市など
参考元:国土交通省|地域区分新旧表
・2地域 札幌市など
・3地域 盛岡市など
・4地域 仙台市など
・5地域 宇都宮市など
・6地域 東京23区など
・7地域 長崎市など
・8地域 那覇市など
参考元:国土交通省|地域区分新旧表
省エネ基準とは
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」による断熱等級は、2024年8月現在1~7等級まで設定されています。このうち等級4は、国が定めた省エネ基準相当であり、2025年4月からはすべての住宅がこの基準に適合することが義務づけられます。国が定めた省エネ基準の、地域区分ごとに求められるUA値(単位:W/㎡・K)は以下の通りです。